妻が実家に帰りました。

 

・・・安心してください、夫婦仲は良好です。実家に帰ったのも里帰り出産のためなのですから。そう、もうじき子どもが生まれるのです。日を追うごとに大きくなっていく妻のお腹を尻目に、多くの男性と同じく、私も自覚があるんだかないんだかわからないような気分を味わっておりました。

女の子ですね」お医者さんでそんな言葉を聞いたとき、真っ先に思いついたのは「乙子(オトコ)か結子(ムスコ)なんて名前は面白いだろうか」でした。妻に話したら呆れていました。娘が大きくなったとき、「男の子が欲しかったんでしょ」などと思われては心外ですから、この名前が日の目を見ることはないでしょう。しかし、このレベルのデリカシーではどのみち、世のお父さん方が夢見る「大きくなったらパパと結婚するの!」系の発言も聞かずに終わるに違いありません。

 

そんなことを考えていたら、ふと思い当たったことがありました。私の「父さん」についてです。

私には「父」と「父さん」がいます。生物学的な父親と、そうでない「父さん」です。もっとも、それほどドラマティックな話ではありません。今でも付き合いの残る高校時代の同級生を、当時からの流れで「父さん」と呼び続けているだけなのです。彼には当時から謎の貫禄があったので、比較的早いうちに「父さん」という呼び名が定着してしまいました。そして、私はその呼び方を改めるタイミングもないまま今に至ります。

いつの間にか、現実に「父さん」であってもおかしくない年齢になっていた私たち。しかし、「父さん」は独身です。すると、私は「父さん」よりも先に「父さん」となってしまうという、何か時間軸が狂ったような状態が発生しかけているわけです。

さてどうしたものでしょう。生まれてくる娘に彼を紹介するときには、何と言えばよいのやら。

パパのお友達のお父さんだよ」という感じでしょうか。それっておじいちゃんじゃない? ややこしいことこの上ない。

 

ともあれ、あと2か月ほどは一人暮らし。しばらくは「父とは何か」を考えながら、日々を過ごそうと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

おまけ:自炊のモチベーション維持のためトトロにご飯をあげるの図