今月初め、1週間ばかり育児休暇を取っていました。ちょうど、妻子が東京からこちらに戻ってくるタイミングに合わせて休暇に入った格好です。先日、ニュージーランドの首相が産休に入るというニュースが話題になっていましたが、アレはきっと、私の育休取得によって休暇を取りやすい空気ができていたのだと思います。そうに違いありません。

冗談はさておき。わずか1週間という期間で、いったい何ができるのか? そうお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。少なくとも私は、そう思っていました。そこで今回は、育児休暇の1週間でやれたこと・感じたことを少しお話したいと思った次第です。

 

1)技能的な話:代わりくらいは目指せた

我が家は共働きですが、妻の方が1年間ほど育児休職を取ってくれています。そうすると、「子育ては二人でするもの」という建前はあれども、現実論として半々というわけにはいきません。少なくとも今後1年は、どうしても妻がメインになります。おまけに、妻は既に1ヶ月近く、実家で子育てに取り組んでいます。わずか1週間で同等の技能を得ようなどというのは、ちょっと現実的ではないかもしれません。

そこで、まずは「足を引っ張らない」、「必要なときに代わりを務めることができる」くらいを育休期間の到達目標に設定し、必要なタスクを把握していくことにしました。

優先的に取り組んだのは具体的に、

  • 食事(ミルクor保存しておいた母乳をあげ、げっぷを出させる)
  • 食後の哺乳瓶の洗浄、消毒
  • 泣いたときにあやす
  • おむつ交換(これは上京時に体験済み)
  • 沐浴 or お風呂(同上)

あたりでしょうか。このあたりがこなせるようになると、妻一人で外出してもらったり、昼寝をしてもらったりといったことができるようになりました。少なくとも間に合わせの代理くらいにはなれたのではないかな、と思います。

普段の家事スキルを流用できるような性質のタスクではないので、いつもは料理、洗濯、掃除なんかをパートナーに任せっきりの男性でも、1週間あれば十分覚えられる範囲かもしれません。もちろん、爪切りとか、鼻づまりの解消とか、やるべきことはもっと色々あるので、あまり威張れたものではありませんけれども。

(ちなみに、赤ん坊関連の物資の補給は Amazon 頼みなので、我が家ではあまり問題になりませんでした。通販万歳。)

 

2)精神的な話:愛と苦労を感じた

「育児休暇によって」「父親としての自覚が芽生えた」のかどうかと問われると、よくわからないと答えざるを得ないのが正直なところです。誕生時点で自覚に乏しかったのは事実ですが、父親になったという現実は4月の時点で既に認識していますし、それから何度も病院や東京の妻の実家に通うなかで、目の前の赤ん坊が自らの娘であるということも十分承知できたのではないかと思うからです。

ただ、1日丸々一緒にいる時間を1週間設けることによって、子育ての大変さや子供の可愛さを強く感じるようになったのは本当です。

まずは大変さの方。赤ん坊なので当然ですが、まぁよく泣くこと。そして、不快の出処を言葉で説明できない以上、泣いたらその原因を逐一トラブルシューティングしていくしかありません。さらに、それが夜間も断続的に続きます。

幸い、我が家の娘は夜中に起きて泣くようなことはあまりないのですが、それでも1~2回は少なくともどちらかが対応せざるをえません。夜中の1時ごろと朝5時頃にちょっと世話が必要になっただけで、昼間がこんなにも眠くなるとは。これが夜中に何度も親を起こすタイプの子だったらどれほど大変だったろうと思いました。

育休が明け、(どのみち母乳が溜まって起きざるを得ない、という言もあって)夜中の対応は妻にお願いしている現在、土日に「娘は見ておくから昼寝してきたら」などと言える頭ができたのも、育休の間に昼間の眠気を体験しておいたからかもしれません。

そして可愛さの方。抱っこが良さそうなのに膝上でごまかすと憮然とした表情をしたり、手を持って動かしてやるとニッコリと笑ったり、色んな表情を見せてくれます。「あー」「うー」などと、こちらの声かけに何か反応を返そうとすることも。その一つ一つがいちいち可愛い。

可愛いといえば、実家のわんこにも色々な表情がありました。色んな反応を返してくれました。しかし、人間の子には人間の子の良さがあるように思います。形が自分たちに近いから? それとも、大きくなったときにできるようになることの差? 決定的な違いは何なのかと言われると微妙に困るのですが、とりあえずウチの子が可愛い。それが収穫です。

 

3)仕事:今後の時間配分を考えた

子供は可愛いものです。ただ、手もかかります。何も考えなければいくらでも時間が取られていく。さらには、それが10年、20年と続く。

育児休暇で育児に触れた初日、私の頭をよぎったのは「これで翻訳者として今後、戦力でいられるだろうか」ということでした。昨年までのように、土日を丸々部屋にこもって勉強するようなことは、今後(少なくともしばらくは)できなくなってしまうでしょう。今後はそういう前提に立って勉強のしかた、内容を考えていかなければならないと痛感しました。物量が減ってしまえば、気持ちや気合だけでどうこうなるものではないのですから。

具体的にどうするかという点については、まだはっきりとした答えが出ていません。少なくとも、あまりに大量の時間を投入しなければならない類の資格試験は、しばらくおあずけにするか、ペースを緩めるかでしょうか。また、まったく新しい分野よりも、ある程度種を蒔いてある分野に取り組む方が良いかもしれないなぁと思っています。子育ての先輩方、どうされてるんでしょう。何かのイベントでお会いする機会があればぜひお聞かせください。

イベントといえば。来る IJET-29 にて弊社の社長を始めとする3名がセッションのスピーカーを務めます! 残念ながら光留は参りませんが、よろしくお願いいたします。唐突に告知。

 

4)おまけ:ある日の出来事

初めての寝かしつけで発生した事件をマンガにしました。

以上です。よろしくお願いいたします。