川津です。Google Earthで遊んでいます。正確に言うと、Google Earthとその上に重ねられる地形レイヤー『東京地形地図』で遊んでいます。気軽に縄文時代ごっこやブラタモリごっこができる便利なデータです。使い始める方法は本文でご紹介します。

 

まずは実際の画像をご覧ください。

こちら、Google Earthで表示した東京湾周辺図です。

 

ズームイン。

 

ほっ。

 

ここはどこでしょう?

 

…………。

 

正解は、

 

フキダシで説明を付けてみました。しれっと「弊社」が入っているのがポイントです。

用途についてはほぼ説明不要かとは思いますが、提供元サイト様から説明を一部抜粋します。

 

航空レーザ測量で作られた精細なDEM(Digital Elevation Model)、「基盤地図情報5mメッシュ(標高)」から陰影段彩図と等高線を作成し、Google Earthに載せました。東京23区を中心とした地域を、つなぎ目無く見ることができます。

(URL:http://www.gridscapes.net/#TokyoTerrain

 

つまり、国土地理院が提供している測量データをGoogle Earthに乗せられるように加工したものです。国土地理院のHPで全国の測量データが提供されていますが、Google Earthに重ねて地名などを表示できるのは、今のところ東京~千葉北西部の沿岸地域のみのようです。

 

使い方は、まずGoogle Earthをインストールしたあと、上記のURLのページ上部の「on the Google Earth」のリンクをクリック。あとは自動的にGoogle Earth上にこのレイヤーが表示されます。

分かりやすく低地が水色~緑色、それ以上の高地が緑~茶色となっているため、もしも堤防や建物などが一切なかったならば、どこらへんが水辺~低地か、どこらへんが山かといったようなイメージで、直感的に地形を把握することができます。

ただし建物と自然の区別なく上空から測量したものなので、高層ビル街が高地のように見えることもあります。新宿駅付近がいい例で、上記のとおり、濃い茶色の中に巨大な「いげた(#)」みたいな形が浮かび上がっています。お察しかと思いますが都庁周辺です。ビルのてっぺんの高さが、濃い茶色で映し出されています。

 

さて、弊社ビルは「さいかち坂」にあるわけですが、つまりその坂は明らかに台地を下から登る坂であったことが分かります。海面が今よりも高かった古代においては、入江に面した岬のような地形であったことも容易に想像できます(縄文時代の一時期、海面が今より最大5mほど高く、地図の黄緑色のあたりまでは海が進出していたのです)。この地形に沿って貝塚や遺跡も出土しています。

そして、その岬の先端部をばさっと横切って水道橋、御茶ノ水を繋ぐ切れ目は、神田川および中央線。江戸時代に人力で台地を突っ切った治水工事の結果です。

ちなみに東京ドームから西に延びる低地には首都高速5号池袋線が重なり、北に向かって伸びる低地は白山通りとなっています。

この情報を知っているだけで、いろんな坂が楽しい。お手軽な気分転換ツールです。

 

川津が住んでいる場所もこのレイヤーの範囲内だったため、この休日はスクリーンショットを見ながら自宅周辺を徘徊しました。非常に楽しかったです。傍目にはただの不審者だったと思いますが。

 

最後に、自分はまだ使ったことはないのですが、アースダイバーbisというサイトもご紹介します。縄文時代の地形を追った書籍「アースダイバー」の派生プロジェクトで、地形は少々簡略化されてはいますが、3D表示で海を上げ下げしたり、東京お稲荷さんマップを地形を重ねて眺めたり、こちらも面白そうな内容です。ご興味のある方はぜひ。